クリエイター時代の視点を活かしながら
不動産の新しい可能性を開拓していく
土方 結子
年齢を重ねてから、新しいステージにチャレンジ
練馬区の江古田駅を拠点に売買仲介から賃貸仲介、不動産管理まで、幅広い観点から不動産事業を営むハウジングサクセス。その中にあって土方さんは、賃貸物件に関する責任者として多角的に仕事に取り組んでいます。軸となるのは管理物件の募集、新規管理契約の締結、既存契約の更新手続きといった対オーナーの業務。もちろん賃貸営業も手がけていますし、各種事務やウェブサイトの更新などにも積極的に乗り出すなど、文字通りマルチな役割を担っています。
「新たに管理物件をお任せいただくオーナー様は、口コミや紹介で契約していただくケースがほとんど。当社の歴代の先輩たちが、目の前のお客さまとの縁を大切にすることで信頼を築き上げてきた証しだと思っています。私自身、まだまだ経験が足りないですから、『土方さんだから任せたい』と言われる存在を目指して、必死になって頑張っているつもりです」
実は土方さん、不動産経験ゼロのままハウジングサクセスに入社し、最初は事務職として働いていましたが、2020年春からは営業も兼務するようになりました。社会人としては大ベテランとなる年齢での挑戦で、最初は戸惑いもあったといいます。
「代表の金子が『やってみないか?』と声をかけてくれたのが、今の立場となるきっかけでした。わからないことがあれば、社長はもちろん、他の営業たちも助けてくれるので非常に心強いですね。会社全体が一つのチームとしてお互いを助け合えるのは、ハウジングサクセスの長所です」 不動産業界の経験はありませが、土方さんは別ジャンルのフィールドでキャリアを積んできました。そこでのクリエイティブな経験が、今の自分の武器になっていると感じているそうです。
ディスプレーデザインの世界に挑戦、著名店の店頭も担当する
土方さんは東京都三鷹市で生まれ、幼少期に西武池袋線の秋津駅周辺に引っ越しました。四人きょうだいの長女で、下は妹が二人と弟が一人。小さい頃からピアノを習っていたそうですが、同じようにピアノに興味を持った妹二人を引き連れ、秋津駅から3駅先のひばりが丘駅のピアノ教室まで通っていました。幼少期は頼もしいお姉ちゃんだったようです。
ただ、高校時代は音楽ではなく食と農業に目覚め、都立農芸高校に入学しました。
「食に関する勉強は楽しかったのですが、友人のお兄さんの縁でディスプレーデザインという世界があることを知ります。店舗のショーウインドウ内の服や装飾品を華やかに、印象的に飾り付けるのがディスプレーデザイン。次第に〝飾る〟という視点は自分の性に合っているとの思いを深め、文化服装学院のディスプレーデザイン科に進学しました」
卒業後はディスプレーデザインの事務所に就職。若者系ファッションビルなどのショーウインドウのデザインなどを手掛けました。当時はパソコンなども手軽に使えない時代で、手書きのデッサンで図面を起こすなど、すべてアナログで物事を進めていました。
時代はバブル全盛期。事務所も安定して仕事も受注しており、経験の少ない土方さんもデザインから制作まで多角的にチャレンジしていたそうです。あるジュエリーショップの本店では、お客さまから評価を受けて賞をもらったこともありました。
「四季やバレンタイン、母の日、クリスマスといったイベントごとにショーウインドウは変化します。季節を先取りしてデザインするのは大変でしたが、仕事としては非常に面白かったですね。あるときは玉子の殻を使った装飾を思い付いたのですが、毎日スタッフで玉子料理を作って殻を集めたり、夏のキラキラした海岸線を表現するのに粉砕された自動車のフロントガラスを探したりと、結構、地道な工夫を重ねていました」
しかし、楽しい時間は突然、終わりを告げます。バブル崩壊の影響でデザイン事務所を閉めることになり、土方さんは転職を余儀なくされたそうです。
展示会のブース制作やフランス料理店のマダムも経験
転職先として選んだのは、モーターショーやおもちゃショーといった展示会の企業ブースを制作する会社でした。デザイン担当ではありましたが、当時はオブジェの制作に携わることのほうが多かったそうです。
「今でこそ機械で簡単に制作できるのですが、当時は展示場に貼る文字・企業ロゴはカッターで1文字1文字切って作っていました。所属していた7年ほどで、1万枚以上の文字を切った気がします」
展示会のブースは〝何でもあり〟だった点もやりがいの一つでした。ブースの屋根に高さ2mのマスコットを設置するべく発泡スチロールを彫刻のように掘ったりしながら楽しくモノ作りしていました。しかし、1998年には結婚・出産を経て退職。働き続けたい気持ちもあったそうですが、当時はまだまだ制度なども整っていなかった時代だけに子育てに専念しました。
その約10数年後、プライベートの事情で母子の2人暮らしとなり、再び働き始めることにしました。派遣社員等を経た後、知り合いのシェフの紹介で五反田のフランス料理店のホール責任者〝マダム〟として勤務していた時期もあるそうです。ワインの抜栓もしたことのない土方さんでしたが必死になって技術を覚え、丁寧な接客サービスを心がけていきました。
店はそれなりに繁盛していたものの、オーナーが諸事情で撤退を決意したため、再び別の道を探さざるを得ない状況となりました。ちょうど娘さんが大学進学する頃だっただけに、急いで仕事を探したといいます。
「ハウジングサクセスに関してはたまたま求人を見つけたので応募してみました。不動産未経験でしたから『私で大丈夫かな』との思いもありましたが、金子社長が『これも縁なので歓迎するよ』と快く迎えてくれたおかげで、思い切って挑戦することにしました」入社後は各種事務のほか、間取りを描くソフトでチラシを作ってみたり、自社HPの更新などにチャレンジ。長くデザイン畑にいた経験がさっそく生かされました。
不動産の専門性には悪戦苦闘させられたようですが、過去、何度も新しい場所でチャレンジする人生を歩んできた土方さんは挫けることはありませんでした。前向きに仕事に挑むことで課題を乗り越え、不動産のプロフェッショナルとして着実に階段を上っていきました。
関わる人に喜んでもらえる存在になりたい
賃貸関連業務の責任者となってからは、またも今まで経験したことのない営業という仕事に臨んでいます。心を砕いているのは、関わる人との信頼関係の構築です。
「入居者がなかなか入らない部屋がある場合、オーナーに対してこまめに連絡を取るのはもちろん、定期的に手紙を書いて状況をお知らせしています。地道なやり取りではありますが、これが信頼につながっていくと感じています。ようやく入居者が見つかった後、こちらとしては長くお待たせして申し訳ない気持ちで一杯なのに、オーナーから感謝していただけたときは嬉しい気持ちに包まれます」
手紙でコミュニケーションを取るのは、金子社長をはじめハウジングサクセスのメンバーのスタイルでもあります。土方さんもそれに倣い、オーナーに書類を提出する際には必ず手紙を添えてコミュニケーションを図りますし、賃借人に対しても入居後3カ月後をめどに「新しい住まいはいかがですか?」との手紙を送っています。
「ただ、自分オリジナルの営業スタイルができていないのが、現在の課題ではあるとは思っています。一つ挙げるとするならば、過去、デザインを手掛けてきた経験を生かして、オーナーや賃借人の自宅表札を作ったりはしています。自分で文字を切り抜いてアクリル板に張り付けるという簡単な表札ではありますが、少しでも関わる人に喜んでいただけば幸いです」
オーナーや賃借人が困ったとき、真っ先に頼りにされる存在になりたい――土方さんはそんな目標を掲げています。年齢を重ねてから不動産に挑戦した土方さんですが、若者のような貪欲さでさらなる成長を遂げようとしています。
一問一答
出身は?
不動産業界に入った理由は?
好きな駅は?
幸せを感じるのはどんな時?
趣味は?
特技は?
得意エリアは?
プロフィール
土方 結子
- 〒178-0063
東京都練馬区東大泉2-7-25
HSKビル東映撮影所前本店 - TEL:03-5935-9385
- Mail:info@housing-success.co.jp
“@”を半角に変更してご入力ください - URL:https://www.housing-success.co.jp/
- 1987年
文化服装学院 ディスプレーデザイン科 卒業 - 1987年
ショーウインドウのデザインに入社 - 1990年
イベント会場のデザイン・オブジェ制作会社に入社 - 1998年
出産により退職 - 2018年
株式会社ハウジングサクセス入社