賃貸契約の成立と媒介報酬


お部屋を借りるとき等に我々不動産業者が仲介して取引することが大半だと思います。

では仲介業者に支払う仲介手数料はいつ支払うものでしょうか?

①お部屋探しの依頼をしたとき?

②物件を見つけたとき?

③内見をしたとき?

④申込金を入れたとき?

⑤重要事項説明を受けたとき?

⑥契約金を支払った時?

⑦調印等契約業務がすべて完了した時?

正解は、、、、⑦です。

当たり前のように思いますが

④~⑥で諾成契約が成立したと主張して仲介手数料を請求する賃貸屋さんがいるのです。

 

仲介手数料は成功報酬なので契約が成立しなければ報酬は請求できないとなっております!

ところで諾成契約とは?④~⑥を例にしながら説明をしていきたいと思います。

④の申込金を入れたとき(当社はそのようなものは受領しておりません

気が変わって申し込みをキャンセルしたいと申込者から申し出があったとします。

 

まず、そもそもの認識、見解の違いが始まりがほとんどです。

○借主さん(借入希望者)は契約は成立していない

○仲介業者は契約が成立(諾成契約)していると主張します。

なぜ、書面にて契約を交わしていないのに契約が成立していると主張するのでしょうか?

それは民法の原則で賃貸借契約は書面がなくても契約は成立するなっているからです。

えっ、、、借りたいと意思表示をしたら借りなくていけないの???(T_T)/~~~

いえいえ、その時点で借りなければいけないわけではないので安心してください!

では諾成契約とは?

借受希望者の入居申込と貸主の承諾によって双方の意思が合致すると契約は成立するということになります。

実務として借受希望者は申込はしたけど契約はしていないからキャンセルしたいと主張すると思います。

そしてキャンセルについて仲介業者と契約の成立について争いが始まります。

ちなみに当社はキャンセルが発生したら

すぐに受けつけ新たに入居者を探します。

仮に強引に契約をしてもトラブルが発生するのは目に見えているからです。

希望していないところに住まわされたという気分になるでしょうから)

 

諾成契約なんて言われてもそんなこと知らないよ!ってなると思います。

逆に言えば仲介業者が諾成契約を主張するのであれば

どの時点で諾成契約となるのか説明するべきと法律の観点ではなく業務もしくは人として思います。

 

こんなことがあまりにも続くので2020年に諾成契約は明文化するように民法改正されました。

それが改正民放522条契約の成立と方式です。簡単な表現で

①定義に合致した申し込みが必要

②2項に契約の成立には書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

単なる申込というものでは諾成契約にはならないということです。

ということは申込金を入れていたとしてもその申込金は全額返金してもらえるというものになります。

(業務に関する禁止事項 宅建業法第47条の2 第3項・施行規則第16条の12第2号

 

返金できないという仲介業者は仲介手数料も請求してくることがありますが

契約が成立していないのですからもちろん払う必要のないものです。

要はいかなる理由があっても返還しなければならないのが申込金なのです。

仮に契約が成立しても返金するものが預り金(申込金)なのです。

実務では手間なので双方合意の元、契約金(又は手付金)の一部に充当することが大半ではあります。

 

では不動産取引で言うところの申込とはどういう意味合いか?

申込金は契約をする確定的な意思表示となるのか?

なりません。

わかりやすく言うと物件を抑えるための優先交渉権を得るためのものとなります。

よって諾成契約による契約の成立とは言えないということになります。

ましてや不動産取引は宅建業法37条に書面(契約書)の作成及び交付が義務付けられています。

やることを最後までやらなければ宅建業法違反にもなるということになります。

個人的には宅建業法があるのだから民法改正がなくてもとは思いますが

明文化しないと理解できない、せこい、ずるい人が多すぎるのでしょうね。

 

ですがあくまでも消費者を守るための法律だと思うので

だからと言って何でもかんでも申し込んでキャンセルするような

人道外れるようなことはしないでくださいね。

最終的に損をするのはそんなあなたなので!
また、仲介手数料も結論的に書面によって契約が成立して報酬を得られるものとなりますが契約書の作成がされていなくても契約が成立しているとみなす例外的なこともあります。

重要事項説明で契約内容を説明されて

連帯保証人の保証意思があり

契約金の授受もあり建物の鍵も引き渡している

この場合は契約は成立しているとなります。

 

ちなみに双方で合意の元に返金をしなくても良いとなった場合はどうなのか?

それでもだめです。

返金するべきものです。

返金しなければ悪質な宅建業法違反となります。

好意で本当に迷惑料だから受け取ってください

これも受け取った宅建業者は業法違反となりますのでお互いに注意しましょうね。

 

そして仲介手数料の額についてです

これは貸主借主双方から上限1か月となっておりますが

稀に借主さんで0.5か月分ではないのか?と言われる方がおりますが

募集条件で仲介手数料は借主負担で募集しているものが大半です。

この条件で募集しているのでその条件で申し込む以上双方の合意になりますので1か月分となります。

(交渉はしても良いと思いますが実務的に正直厳しいのではないかと思います。)

①仲介手数料は受領できる合計額は賃料の1か月分

②当該依頼者の承諾を得ている場合を除き依頼者の一方から取得できる額は0.5か月分以内

③代理契約の場合も①②と同じ

④特別の広告料を除き規定以外の報酬を請求できない

当社は賃貸でも珍しく売買のようにチラシを広範囲で巻いております。

アナログからのデジタルへの誘導やアナログだけの年配者目にも止まるように。

アナログだからこそ伝わる内容のチラシとして活用しております。

 

重要事項説明をしたからということでトラブルが発生しているケースも多々あります。

次回は重要事項説明に関するトラブルについて触れてみたいと思います。

 

賃貸管理のご相談もお待ちしております。

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私は賃貸運営はファミリー物件にシフトするべきと考えます。シングルタイプで満室にならずお困りの方もお気軽にご相談してください。

 

※法律用語はわかりづらいので日常会話で分かるように表現になるように努めた記載にしてありますのでご了承ください。

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