今日は店舗や事務所の退去についてのお話しです。
店舗や事務所の退去の場合は住居と違って退去時に
どっちが改修費を負担するか契約書に明記することによって賃借人負担とすることができます。
(全体像として読んでください)
住居の場合については東京都では先日亡くなった石原さんが
東京都知事の時に作った東京ルールがあります。
東京ルールとは言っても当たり前のことを明記しただけで
今までその当たり前が当たり前じゃなかったから登場したものと考えております。
何年住んだら負担割合は家主が何パーセント、賃借人が何パーセント
のように比較的わかりやすくなり契約時にも説明をしなければならないようになっています。
この東京ルールの影響なのか?以前はなんでも賃借人負担という考えの大家さんが多かったのですが
最近は難癖付ける賃借人さんが増えたと思うのは私だけでしょうか???
話しがそれてしまいましたが
店舗や事務所のように事業用だったらどうなのか?
上記でも述べたように負担割合を明確にして契約をしていれば
大きな問題にはならないと思いますが
これを明記していなかった場合はどうか?
基本的考えは大家さん負担となってしまいます。
そうは言ってもきれいに使っていただければさほど問題にはならないでしょう!
では使い方が荒い場合は?
大家さんとしてはたまったものではありません。
ですから我々管理会社はそのような部分はしっかりと
明記してトラブルにならないようにします。
先日こんなことがありました。
大家さんはオーナーチェンジでその事務所を購入しました。
契約書には負担についても明記されていました。でもトラブルが発生したのです。
大家さんはその事務所を購入するとき
契約書には明記されていることも確認したのですが
その明記の仕方に穴がありました。
当時この契約書を作成した不動産業者も
明記したつもりの内容だったと目を通す限り読み取れました。
賃借人さんもトラブルになるまでの過程をみるかぎり
元々は同じ認識のようだと感じました。
ですがこの現状回復費用が預り金を超過してしまったのです。。。
そして大家さんは超過した分は自分で見るから預り金はあててねという
(超過した金額の方が大きかった)ことで全額を請求しないというやさしさで連絡したところ、、、
なんと自身の利用方法は棚に上げて弁護士に相談したそうです。
すると契約書記載内容の穴をついて全額返金請求という連絡が来たのでした。
人情優先という話ではなくこのようなことにならないように契約書はきっちり作成しましょうということです。
(ただ、この契約書作成はフランチャイズ加盟店でそれなりの不動産業者だったのでちょっとビックリ。。)
とはいえ、しっかりと作成してもケチをつけてくる人は少数いるのが現状です。。。
こういうことが続くとメジャーリーグの契約書みたいに
事細かに記載した分厚い契約書の必要性が出てきてしまわないか心配になります。
弁護士さんの作戦として全額請求から始めたのでしょうが
お互いが信頼しあえなくなるといつか借りる方が大変になってしまう可能性が出てきます。
法律を無視するとかではなく人としての人間性は大事にして欲しいなと思う事案でした。
契約内容でしっかりしておくことは言うまでもありませんが
なんだか人間関係がどんどんさみしくなってきたなぁと少し悲しく思ったので公開しました。
契約書の内容はとても重要ですが
入居審査の重要性が今まで以上に大きくなったと感じます。
家賃は保証会社に任せていても入居者管理は我々管理会社がするべきものと考えます。
家賃が入ってくればいいっていう賃貸管理はとても危険です。
少しでもその心配がある方は早めに相談してください!