繁忙期の準備と冬の賃貸トラブル

~年末の賃貸管理”あるある”をレポートします~

賃貸管理の一年は、春夏秋冬にそれぞれの特色があって飽きることがありません。

その中で年末の賃貸管理業務についてレポートいたします。

繁忙期の準備は年末に完了させる

春にお引越しをされるお客様の多くは
年末年始の空いた時間にインターネットでお部屋探しをして
「どんな物件があるのか」をマークします。

そこで私たちの物件に注目してもらう必要がありますので
賃料などの入居条件、内装や設備など
貸室の魅力を最大限に整えておかなければなりません。

年が明けてからでは遅いのです。
そのために年内に対策を決めてオーナー様に提案をします。

もちろん、承諾していただける時もあれば
「このままの条件で頑張ってよ」と励まされる場合がありますがどちらであれ
提案をするのが私たち管理スタッフの大切な役目です。

そして、物件の魅力が100%伝わるような写真や動画を撮り
説明文などを工夫して年内のうちにネットに流して反響を待ちます。

このインターネット登録は、私たち管理スタッフの年末の大事な仕事になります。

3月の退去予定を年内に知るために

3月中の入居を望むお客様が1月から2月にお部屋探しに動くわけですが
その時点で空いているか、空く予定が判明しているお部屋しか紹介することができません。

しかし、借主からの退去連絡を待っていたら
3月20日退去の人は1カ月前の2月20日までに連絡すればいい
というのが大方のルールです。

それでは募集活動が間に合いません。

そこで3月までに退去する可能性のある借主には、事前に「お尋ね」をします。

特に大学4年生や、この時期に更新を迎える単身世帯がターゲットになります。

カップルやファミリー世帯であっても、3月頃に更新を迎える借主には
年内の早いうちに「更新のご連絡」をします
(自動更新の慣習で更新通知を行わないエリアもあります)。

この作戦も年末の大切な仕事です。管理スタッフとしてはお部屋が空かないことが一番ですが
退去されるなら一日も早く決めたいので、そのための準備で一番忙しいのが年末というわけです。

年末の賃貸トラブル〝あるある〟とは

冬の気温は日本の北から南で大きく異なりますが
冬になると起こり得る賃貸トラブルがあります。

エアコンが暖かくならない」のもその一つです。

原因が故障ならすぐに手配をしますが
エアコンの暖房機能は外気が下がると動きが悪くなるので
時間をおけば徐々に暖かい風が出ることもあります。

室外機の表面に霜が付いたり凍結して外気が取り込めないこともありますし
単に「霜取り作業モードになっていた」という原因もありました。

まず入居者さんへの初期確認が必要になります。

冬の賃貸物件では「結露」も問題になります。

これを放置されるとサッシやパッキンにカビが生えたり
フローリングまでカビが広がってしまいます。

入居者さんの健康にも被害が及びますので
「定期的に換気する」「除湿器やサーキュレーターを使う」「中性洗剤を薄めた水で窓を拭く」
などの対処策を入居者さんにも協力いただく必要があります。

南の地域ではあまり縁がありませんが
この時期に発生するのが給湯器の凍結トラブルです。

凍結なんて「北国だけでは︖」と思いがちですが
寒冷地は寒さ対策がしっかりしているのに対し
まれに温暖地域に急な寒波が到来したときに起こったりするので備えは必要です。

原因は、外気が0度を下回ったか、排水管の水流が止まっているか
の2つが大半です。

給湯器が北側に設置されている物件や
水流が止まっている空室は凍結の可能性が高まります。

給湯器は通電されていれば、ほとんどの機種で凍結防止装置が作動するはずですが
借主は退去時に電力の契約を解除していることが多いので空室は装置が働きません。

そこで空いているお部屋では
給湯器本体の水抜き栓を開けて排水管内の水をカラにする
「水抜き」という作業を行います。

これも年末の管理スタッフの年中行事になります。

最後に、年末年始の入居者さんに向けた連絡事項があります。

前述した、結露を防止するための対処策のお願い
火の取り扱いの注意、緊急時の管理会社への連絡方法
一定期間を留守にするときの日程と連絡先の申告のお願い
ゴミ出しの最終日の確認、その他特にお知らせしておくべき事項などです。

これらを、物件ごとに用意したそれぞれの方法で告知して2022年を締めくくります。

2023年が明けましたら
繁忙期に向けてスタートダッシュできるように準備を万端にしてまいります。

本年もありがとうございました。

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