理想と現実
理想と現実とは言っても恋愛観ではなく、家賃のお話しです!
最近、マスコミが家賃の上昇をすごく騒いでいます
新築の家賃が高くなるのは、建築資材も土地も高くなっているのでわかります。
そして、既存のアパート等も同じように上昇させたい気持ちもわかります。
でも所得だけは上昇していません。実質的には下降しています。
上昇する前でも空家(空室)問題は続いており、お困りのオーナーさんが多々いました。
その決まらないお部屋の家賃を上げても決まるのでしょうか?
そして、現在の賃貸借契約で賃料アップを言われるオーナーさんも多々おられます。
どこで耳にしたか忘れましたが、倍近く家賃が上がったということも聞きました。
個人的には話し盛っているだろうと思っています!
ん~、本当にそれだけの状況なのか?
家賃のアップダウンの希望は賃貸人、賃借人どちらからも言えるものです
上げるにしても下げるにしてもその根拠を示さなければ拒否することができます。
実はこのお話を知らない人がたくさんいます。
知っていても精神的に面倒だから論争せずに退去される賃借人さんもよく見かけます。
高給取りなら上昇しても、まだ良いかもしれません。
良いというより支払えるとなります。
ですが平均所得からすると
上昇前の賃料でさえ実は厳しいご家庭がたくさんあるはずです。
だから家賃アップの交渉も『ハイ、分かりました』とはいかないはずです。
引越す資金もないかもしれません。
そうであれば家賃アップをそのまま受け入れるか、
その根拠を出してもらい納得するかしかありません。
後者の場合は自分の住まいだけではなく、
近隣の相場が同じ状況なので受け入れるしかない、
又は部屋が狭くなってでも、もしくは遠方に引越す等予算に合わせて
住替えるかになると思います。
少なくとも私の営業エリアでは、
1000円~3000円程度でアップ又は逆にダウンしている印象なので、
マスコミは騒ぎ過ぎだと思います。
もちろん家賃が上昇して給料も上昇すればよいかとは思いますが、
人口減にもなって昨今、本当にこんな状況で良いのか不安になります。
先日、この家賃のことで取材の依頼を受けましたが、お断りしました。
とにかく上昇しているということをアピールしたい
ということのようでしたので不安を煽りたくない判断でした。
とはいえ、他の不動産業者が協力していましたが、
やはりテレビの力は凄いなと思います。
個人的な印象ですが、数字は「%」なのか、「リアルな数字」なのか、
印象が強くなる方を選択しているように感じます。
高額賃料のエリアであれば具体的な金額を話すほうが、
低額賃料エリアにはすごい上昇感覚に繋がります。
管理物件オーナーに相談された際は
空室になったら家賃を上げて募集してみて、
決まらなければ元の家賃に戻しましょう!とお話しし、現賃借人に退去されないように、
現状のままにする方が安心ですと提案しています。
実際にはその時点での空室情報を見ても、今の家賃の方が高いくらいのお部屋が多く、
根拠なく高い家賃で募集している部屋が決まらずに残っていて、
その賃料を基準に見てしまうようで、その辺を冷静に判断できるようにアドバイスしています。
もちろん、上げた方が良いお部屋やお店はその根拠の元に上げる提案もしますが、
私の考えは長期の賃貸借契約の継続であり、短期的な利益は推奨していません。
なんだかんだ言っても空室にならないことが最善の賃貸経営だと考えます。
空室に合わせて最善の戦略で新規の賃借人さんに気持ちよく住んでもらう。
これからの少子化を考えれば、この部分を大事にした安定経営がベストです。
だからこそ、既存のワンルーム経営は良いのですが、
新規のワンルーム経営は私はお勧めしません。
30平米以上(1LDK程度)をポイントにファミリータイプの間取りをベースに
利回りよりも安定性を重視することをお勧めします。
安定性を重視したうえで利回りをどこまで上げていけるか、
これを大事にすることにより結果的に勝ち組賃貸経営になるはずです。
シングルタイプもファミリータイプも、中古も新築も地域によって考えは色々です
末長いお付き合いを重視ている以上、損をさせたり恨まれたりしたくはありません。
一人一人のオーナ様にとって最善策を提案させていただきます。
結果的にはそれが賃借人さんにも住みやすい空間を提供でき、
WinWinの関係になるはずです。物件ではなく人を重視した不動産業に拘っております。