全国の成約賃料は︖居住期間は︖滞納率は︖

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)が会員企業に行った調査から日管協短観を発表しました
(調査対象期間・2021年3月から2022年4月)。
この中から興味深いデータや傾向を紹介します。
(この調査では全国を、「首都圏」「関西圏」「その他のエリア」と3つに分けています)

全国の成約賃料は23.5%が減少傾向

もっとも気になる「成約賃料」は全体の49.6%が「変化なし」でしたが
首都圏の単身向け物件では「下がった」が4割以上と高い数値となりました。

ここ数年は首都圏でワンルームマンションの供給が増加していると言われており
築古物件を中心に家賃が下落傾向にあるようです。

成約賃料が下がったという回答は
全国平均では31.1%、関西圏21.7%、その他のエリアは25.9%でしたので
首都圏の減少傾向が一番大きいようです。

反対にカップルやファミリー向けの需要は伸びているようで
首都圏の1LDK~2DKで「成約賃料が上がった」という回答33.7%、2LDK以上は41%でした。

全国平均でもカップルやファミリー物件は約3割が「上がった」となっているので全国的な傾向のようです。

新築分譲マンションの価格が高騰して、つられて中古マンションも過去最高額まで上昇しているので
買い控え層が賃貸物件を選んでいることが考えられます。

建て替えやリノベーションを検討するときに、この傾向を頭に入れておきたいものです。

「少人数世帯の増加、給与収入の減少、在宅勤務の定着などにより、広めで賃料が低い物件へのニーズが増加したと思われる。」と日管協はまとめています。

全国の2 ヶ月以上の滞納率は0.4%

賃貸住宅の「居住期間」の全体平均は4年1ヶ月で、単身は3年3 ヶ月、ファミリーは5年1 ヶ月でした。

これまで通説で4年と言われていましたが、この調査で実態に近い数値が判明しました。
この全体平均を地域ごとでみると、首都圏の4年5 ヶ月に対して関西圏は4年、その他の全国エリアでは3年11 ヶ月でした。

コロナの影響が気になる「滞納率」は、うっかり忘れを除いた2ヶ月以上の滞納率が全国で0.4%でした。
首都圏は0.3%と平均を下回るのに対し、関西圏、その他のエリアでは0.8%と、平均の0.4%を大きく上回っています。

コロナ禍による収入の減少は、観光収入に頼る地方の方が影響を受けているのかもしれません。
政府による補助が打ち切られつつあるため、今後はより顕著になっていく可能性があるので留意しておきたいところです。

最後に、高齢者や障害者や外国人に対する入居審査時の拒否感について、物件オーナーに調査しています。

高齢者については全国で 76.3%が「拒否感なし」、23.7%が「拒否感あり」となりました

地域ごとでは

首都圏の「拒否感なし」が 87.7%(あり 12.3%)に対して、関西圏の「拒否感なし」は 47.1%(あり 52.9%)
その他のエリアの「拒否感なし」43.5%(あり 56.5%)と
高齢者の入居を忌避する傾向が残っていることが分かりました。

世界で最も高齢社会が進んでいる我が国において
高齢者の住宅確保は社会命題になっていますが、調査をした日管協は「全体傾向として
『居室内での死亡事故等に対する不安』や『家賃の支払いに対する不安』
が要因と思われる。エリア別では各種インフラの整備状況も影響か。」
と考察しています。

建物の建て替え頻度の高い首都圏の方が設備が整いやすいので
高齢者の受け入れに対する心理的なハードルが低いのかもしれません。

障害者については全体の 75.9% が「拒否感なし」(あり 24.1%)となっています。
高齢者と同様に、関西圏では「拒否感なし」45.2%(あり 54.8%)
それ以外のエリアでは「拒否感なし」41.7%(あり 58.3%)となっていて
首都圏の「拒否感なし」87.8%(あり 12.2%)と大きな差がありました。

 

外国人にも同様の傾向があり、全体では「拒否感なし」73.4%(あり 26.6%)で
首都圏では 87.8% が「拒否感なし」(あり 12.2%)、関西圏では「拒否感なし」48.7%(あり 51.3%)
さらにその他のエリアでは「拒否感なし」28.2%(あり 71.8%)と、大きな差がでました。

外国籍の住民の多い首都圏と、ついで多い関西圏に比べると
それ以外のエリアではまだまだ外国人への抵抗は大きいのでしょうか。
地域によって、はっきりとした傾向が出ていて興味深い結果となりました。

一方で、全国的なネットワークを持つ大手管理会社によると
高齢者や障害者や外国人に対するオーナーの拒否感は年を経るごとに薄れているようで
「以前は管理会社に、高齢者や障害者や外国人に対する家賃滞納や近隣トラブルの対応ノウハウが不足していたが
保証会社や多言語でのコミュニケーションをサポートしてくれるサービスも出てきている。
トラブルは以前に比べて減っており、そういった実情はオーナーにも浸透しつつある」と語っています。

 

金子が10年以上も前から予告していたことが数字でもわかるように現実化しました

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すでにご所有のシングルタイプは頃合いを見て、売却又は買い替えを!
これから新規に購入される方は築年数ではなく間取り(ファミリータイプ)を優先に!
とアドバイスしてきました。

最近の金融機関は古い不動産への融資は消極的です。
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でも賃貸は違います。金融機関の判断は関係ありません。
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賃貸経営は築年数ではありません。収益です。費用対効果です。
新築や築浅という概念を捨てて『残り物には福がある』という考えで
正しい賃貸経営を見直してみませんか?

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