こんにちは。島崎です。
8月も終わり、この暑さもそろそろか
なんて考えていましたが、全くそんなことはありませんでした!
まだまだ残暑が続き、厳しい毎日ですが
水分補給して乗り切りましょう!
新耐震基準=住宅ローン減税OK、ではありません。
2022年の税制改正で、住宅ローン減税の見直しが行われ
控除額や対象要件など大幅な変更がありました。
中古住宅の場合は、これまで原則は「耐火住宅は築25年以内、非耐火住宅は築20年以内」という築後年数要件でしたが
「1982年1月以降に建築された建物」と大幅に緩和され、制度が利用しやすくなりました。
ただ「1982年1月以降に建築された建物」というのはあくまで住宅ローン減税の対象要件で
他の制度における新耐震・旧耐震の区分が変わった訳ではありません。
今回は、新耐震と旧耐震の区分についてお伝えいたします。
1981年6月以降に建築確認されたものが新耐震基準
国が定めた新耐震の区分は
1981年6月以降に建築確認された建物が新耐震基準に該当するということです。
それ以前の建物は旧耐震基準となります。
旧耐震基準は基本的には既存不適格住宅とされ、何かしらの耐震対策が必要な建物という扱いになります。
国や自治体が運営する耐震に関する補助制度が旧耐震の建物が対象になっているものが多いのはこのためです。
また、住宅ローンの基準としてもこの基準で一定のラインが引かれていることもあります。
1981年6月以降に建築確認された新耐震基準なら耐震性は必ずしも大丈夫なのかというと
阪神淡路大震災の教訓から更に2000年6月に建築基準法が改正されており、
実は2000年5月までの建物は耐震診断を行うと何かしらの補強や改修工事が必要と判定される可能性があります。
よって、現行の基準に照らし合わせると少し余裕を見て
2003年以降のマンションが耐震性も安全なのでは。と考えます。
ちなみに、フラット35を利用するにはフラット35適合基準をクリアする必要がありますが
耐震性については「新耐震相当」という基準が設けられています。
実際に現場からすると何とも言えない絶妙な表現だと感じております。
以前は耐震適合証明が必要だった
2022年の改正までは、それぞれ20年・25年の築後年数要件を超える住宅の場合は
現行の耐震基準をクリアすることを証明する「耐震基準適合証明書」が必要だったため
住宅ローン減税制度と耐震性は深い関係で認識されていました。
1981年6月以降の建物でも、耐火住宅は築25年、非耐火住宅は築20年を超える場合は
耐震性の確認が必要で、かなり厳しめの基準で判断されてきた経緯があります。
特に非耐火住宅(一般的に戸建)に関しては築20年を超えている場合は実質的に諦めざるを得ない状況でした。
このような経緯から、住宅の耐震性の基準について詳しい不動産会社が多かったのですが
2022年の住宅ローン減税改正の際に国交省から配布された資料に「新耐震基準相当(1982年1月以降に建築された建物)」という表現が使われていたので
一部では住宅ローン減税がOKなら新耐震基準であると誤って判断してしまう方がいるようです。
新耐震基準と住宅ローン減税の基準は別物です。
気を付けるべき点
新耐震基準が1981年6月以降となっていますが
これはあくまで建築確認日のことで、建築確認済書など公的な書類で証明しなければなりません。
古い住宅になると新築時の書類が失われていることも多く
間取り図などの図面も何もない、あるのは謄本だけという物件は少なくありません。
公的な書類で建築確認日が証明できない場合は
謄本の年月日が1983年4月以降の建物が新耐震基準として取り扱われます。
いくつかのパターンで注意するべき年代は下記になります。
1:1981年6月以降の建築確認で、1981年12月までに建築された戸建
国の基準では新耐震ですが、住宅ローン減税の要件を満たさないので、耐震基準適合証明書が必要と判断される可能性があります。
購入を決める前に税務署へ確認、役所での調査をしておいた方が良い年代です。
2:謄本の年月日が1982年1月~1983年3月の戸建
戸建の場合も何らかの事情で建築期間が伸びるケースが考えられます。
また、他の制度では公的な書類で建築確認日が証明できないと、謄本の年月日が1983年4月以降のものが新耐震扱いとなります。
こちらは住宅ローン減税はOKですが旧耐震扱いとなる可能性があります。
3:建築確認日が1981年5月31日以前のマンション
マンションは戸建てと違い、管理組合が新築時の設計図書を保管しているケースがあります。
大型のマンションになると建築確認から完成まで1年~2年かかるケースもあるため
謄本の年月日が1982年1月~1983年3月までのマンションの場合は建築確認日に注意する必要があります。
こちらも住宅ローン減税はOKですが旧耐震扱いとなる可能性があります。
利用したい制度は申込み前に早めに確認!
住宅ローン減税はほとんどの方が利用する、利用したい制度だと思いますが、
前述したように以前より簡易的な要件になりましたが
それでも様々なケースが考えられるため、購入検討時に予め確認が必要です。
不動産会社に丸投げの場合万が一誤認があった際には取り返しの使いない。なんてことに、、、。
新耐震基準=住宅ローン減税OKではありません。
もしくは、その逆で住宅ローン減税が利用できる場合もありますので
事前に必ず確認しましょう!
特にリフォーム関係の制度にはタイミングが重要
その他に国や自治体は様々な住宅取得支援制度を設けていますが
制度を利用する場合には所有権移転後だとほとんどのケースで手遅れです。
場合によっては不動産売買契約後でも間に合わないケースもあります。
購入検討物件で使いたい制度が利用できるかどうかを確認するタイミングは「買付申込の前」です。
買付申込の前であれば、仮に売買契約後、所有権移転までにやらなければならないことがいくつかあり、
少し時間がかかることだったとしても、購入のための条件として売主と交渉することができるからです。
特にリフォームが絡む制度は手続きに時間が必要なものがありますので
予め利用したい制度に関する情報を集めておいて、早めに相談するようにしましょう。
ご不安やお悩みなどはお早めにコチラへ