前回の業界整備が進んだのはあの事件がきっかけ!?、火災保険の不正請求で逮捕者に続いて
今回も週刊誌やビジネス誌に執筆するライターのA記者と、不動産業界向け新聞のB記者、不動産ネットメディアの編集を手掛けるC記者の3名で2021年の賃貸住宅業界を振り返りながら、2022年の展望を語ってもらいました。
そんな語らいにD金子の私見を織り交ぜたいと思います!
不動産テックとDX
A 不動産テック系のベンチャー企業が上場し始めたのも印象的だったね。
B 2021年9月にネット接続できる防犯カメラのセーフィー(東京・品川区)、11月にはスマートロックのフォトシンス(同・港区)が上場しました。セーフィーのネットカメラは簡単に設置できて、スマホなどで映像を見ることができるので賃貸住宅にも活用できそうです。フォトシンスは、スマホで操作できるスマートロックの開発会社です。賃貸住宅に適した商品もありますが、小規模の事務所や店舗などでアルバイトやパート従業員のスマホから鍵を開ける機能を付与できます。
D 当社でも不法投棄等のチェックも含めて防犯カメラを社内、社外に二個づつ設置しています。
C いずれも賃貸住宅や事務所の可能性を広げる機能を持った商品を扱っています。上場したことで、さらに便利な製品になれば良いですね。
B 2021年はOYO LIFEの賃貸住宅市場撤退が話題になりました。一方で、海外の不動産テック企業が日本の市場向けにサービスを提供する動きは途絶えていません。
C プライスハブルジャパン(東京・千代田区)はスイス発の不動産テック企業です。「Property Advisor(プロパティアドバイザー)」という不動産AI査定のサービスで、マンションや戸建ての売却価格や賃料査定ができます。面白いのは、これから建てる新築物件も査定できますし、未来に建てる物件でもAIが賃料を推定してくれるんです。AIの可能性には驚かされました。
D たまにAI査定は信頼できないなんて言う営業マンもいますが、AI査定の結果に対して何が足りないのかの説明ができればこれほど公平な査定額はないと思います。 査定額と売出価格を同じように聞こえる説明が悪いんですよね!
B 中国・深圳に本社があるワンダーシェアーという会社はマウスの操作だけで物件チラシを作ることができます。今までのソフトと比べて、出来上がりの精度が高いのに驚きました。
D どのくらいに質なのか?気になりますね。
A 不動産テックだけではなくDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉もよく聞いたな。
B デジタル化によってビジネスの根幹を変化させようという動きです。これまでのように作業効率を上げるとか簡素化するのではなく、そもそも仕事の流れごとに変えるという意味で使われています。
C このDXは2022年以降ますます重要になると思います。日本全体で労働人口が減っていて、賃貸管理会社は採用にかかるコストが年々増えているところ、入居者対応に求められる質はますます高くなっています。
A 少ない人手で過酷なサービス競争に挑むのは大変だね。それをテクノロジーが助けてくれるわけだ。
C オーナー、入居者、仲介会社、保証会社、保険会社、リフォーム会社とさまざまな関係者とのやり取りをいかにスムーズに、簡潔にするのかが重要になります。電子契約で申し込みが入ると自動的に保証会社に連絡が行って審査が始まるとか、リフォーム会社が原状回復工事の完了報告をすると自動でポータルサイトに募集広告が入る。情報伝達コストを減らして、人間が関与しなくて済む仕組みを作っていく未来を目指していくことになると思います。
D 書類だけの審査は経験上どうしてもトラブルになることが多いような。。。これが今後の課題では?
A 不動産テックやDXは、オーナーが直接的には楽できないけど、賃貸管理の質が上がることでプラスになると思うね。人手不足が深刻化していくのはこれからだから、変化の動きも早くなっていく。注目しておこう。
D とはいえ、質とはその人の人間性が一番需要だと思うけど!
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