「適正な賃料」を知る方法を教えてください

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「適正な賃料」を知る方法を教えてください

Q前回の解説で、「適正賃料を正確に把握することが出発点」というお話しがありましたが、
その適正賃料を知る方法について教えてください。

A適正賃料は賃料査定によって知ることができます。

これは不動産会社がオーナー様に対し、「その物件の賃料はいくらで貸し出せるか」を提案するものですが、
示された査定額が、そのまま募集賃料となるわけではありません。

それを元に、募集条件を吟味したり、
設備追加やリフォームすることによってプラスマイナスして、募集賃料が決められます。

このような対策は、賃料の値下げ、据え置き、フリーレント、設備追加、リフォーム、リノベーションなど、
いくつもありますが、どれが良くて、どれはダメ、ということはありません。

オーナー様の賃貸経営に対する考え方や、経営する予定期間によって選ぶ対策は異なるはずです。

では、どうやって選べばよいのか︖ その判断基準は2つあります。

対策を決定するときの2つのポイント

1つめは、募集開始から3年~5年間の収益(家賃収入からかけた費用を差し引いた額)を成果とすることです。

「すぐに決まった」とか、「6カ月もかかった」という目先ではなく、一定期間に稼げた収益が重要です。

たとえ決まるのに6カ月を要したとしても、
募集賃料を査定より10%も高く設定した結果なら収益は満足レベルのはずです
(こんなラッキーな例は安易に期待できませんが)。

反対にすぐ決まったとしても、
募集賃料を査定より10%も低く設定した結果なら収益はそれほど多くはないはずです。

賃料査定を元に募集対策を決めるときは、中期の想定を綿密に立てることが重要です。

もちろん結果は「やってみないと分からない」部分がありますが、
その結果を経験として積み上げていくことが、長い賃貸経営において生きてくるのです。

2つめは、地域の需要を正確につかむことです。

人気設備のベスト3でも、この地域に転入希望している人が、その設備にお金を払うとは限らないのです。

このテーマについては別の機会に解説したいと思いますが、
対策を決定するときの判断のベースになるのが、「賃料査定による適正賃料」です。

これが現実と離れていたら、想定した結果を得ることができないでしょう。

どのように賃料査定されるのか

ここからは、どのように査定されるのか、について説明いたします。

不動産の査定には、売買物件の価格査定と、賃貸物件の賃料査定があります。

土地や建物には価格査定マニュアルがありシステム化されているのですが、
賃料査定には一般化されたマニュアルはありません。

各社がデータを基に属人的に判断することが多く、担当や会社によって査定に差があります。

勘と経験のみに頼るのでなく、科学的に、データに基づいて査定する必要があります。

賃料査定の第一段階は「相場による算定」です。

査定する貸室と同じエリアの、
タイプ、間取り、専有面積、賃料条件、㎡単価、築年数、交通アクセスが近い類似物件を一覧にして、
この地域の相場を把握します。

たとえば、査定物件が、駅から徒歩10分(駅立地でないエリアでは地域名など)、
築18年のRC造、42㎡の2DKの場合、その類似物件一覧の賃料条件を見比べることで相場家賃が算定できます。

第二段階では加算と減算をしていきます。
まず室内設備です。

全国賃貸住宅新聞社(東京都中央区)の「この設備がなければ入居が決まらないトップ10」よると、
単身者とファミリーともに、エアコン、TVモニター付きインターホン、室内洗濯機置き場がベスト3に入っています。

お客様が、これらを必須設備と認識されているなら、
付いていないと減算の対象とする、というわけです。

さらに「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まるベスト10」によると、
単身者とファミリーともに、インターネット無料、エントランスのオートロックがベスト3に入っています。

ほかに、単身者は高速インターネットや宅配ボックス、
ファミリーは追いだき機能やシステムキッチンが上位にありますので、
これらは大きな加算ポイントとなるでしょう。

さらに、部屋の階数、角部屋か中部屋か、ベランダの向き、収納能力、間取りの使いやすさ、
なども加算や減算の対象になります。

第三段階は現地確認です。
不動産会社が初めて査定する物件ならば現地を見るのは必須です。

自社エリア外の物件の場合は、
現地の不動産会社を何社も訪問して、相場と需要について情報収集をします。

賃貸募集にとって「賃料査定による適正賃料」が重要であることをご理解いただけたら幸いです。

査定は不動産会社が行いますので、オーナー様は、不動産会社と一緒に、
賃貸収益が最も高くなる募集戦略を考えて実施してください。

家賃も上昇傾向と言いますが

最近ニュースで不動産価格上昇、賃料も上昇と耳にすることが多くなりました。

気を付けてください。
あくまでも平均値が上がっているだけです。下がっているところさえあります。

だから人気の需要で変わるのです。
一等地の単価が非常識的に上がっているので平均単価は自ずと上がります。

全てのことに言えますが、冷静に周りを見るときは平均値ではなく中央値を見ましょう。

ましてや不動産は沿線、地域等で評価が全く変わります。
自分が賃借人さんとなった目線で見る意識をするだけで正しい賃料に近づいた考え方ができるはずです。

管理会社がとりあえず家賃を上げましょう、下げましょうと、
根拠なく言うことは管理会社の価値ありませんが、
自分自身でもある程度根拠を集めておくことはとても良いことです。

大事なのは自分に都合の良い根拠だけではなく、
都合の悪い根拠を積極的に受け入れる、そしてそれを改善する方法を考える。

そしてそのサポーターとして信頼できる管理会社と付き合いをする。
このようにしてみてはいかがですか?

コロナ前でも決まらなかったお部屋が、
コロナバブル賃料(値上げ)にしても決まる確率の方が低いです。

大事なのは安易に考えずにしっかりと根拠をもって戦略を立てスパンも並行して見ていく。
このように考えて家賃を上げたり、下げたりするべきと私は考えます。

きれいごとは言いません。
賃貸管理でお困りの大家さん!なんでもご相談してくださいね。

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